対数関数 公式集

 さて、皆さんは以上の公式、全て知っていただろうか。ちなみに、②の派生が③④、⑤の派生が⑥⑦である。派生である以上、②⑤を知っていれば③④⑥⑦は導けるのだが、『道具として扱う数学』としては全て暗記することを強く推奨する。何故ならば、対数関数において重要なことは、「いかに自在に式変形をすることができるか」だと私は考えるからである。

 以下、各公式について説明を述べる。

⓪①:特になし

②:「k」については多くの人がご存じだろうが、「l」については知らない人もいたのではないだろうか。この公式は、「底・真数のルート(√)や累乗(a^n)を無くして簡単にできる」という意味で重要である。以下に使用例を示す。

           

③:この公式は、「底・真数を自由にk乗できる」という意味で重要である。②との差別点は、対数の外(②の例題でいう1/6)を介さずに変形できる点である。以下に使用例を示す。※逆方向も使いこなせるように!

         

④:特になし

⑤:いわゆる「底の変換公式」である。しかし、この形では非常に使いにくく、覚えたはいいが使いどころが分からないという人、多いのではなかろうか。式全体として、どうしても底を統一したい場合に使用するのだが、多くの場合では⑥⑦のように使う。

⑥:⑤においてc=bとするとこの公式になる。それだけだったら覚えるまでもないじゃん!と思うかもしれないが、次の意味で理解しておくことが重要なのである。それは、「分母分子を反転させれば、底と真数を交換してよい」である。この公式の強みは、分数をなくせること、底を統一できることである。以下に使用例を示す。

             

⑦:⑤において分母をはらうとこの公式になる。覚えるべきは、「対数同士の掛け算は、底と真数が同じなら合体できる」という点である。以下に使用例を示す。

           

この使用例からも分かるように、この公式は、一般に3個以上連続していても使用でき、初めの底と、最後の真数が残る

⑧:この公式も知られていない割には重要であり、「指数の肩に対数がある場合、指数の底と、対数の真数を交換できる」ことを意味している。そのため、指数の肩の対数を消すことができる点で有用である。以下に使用例を示す。

              

 以上、対数関数の公式集であった。対数関数は科学においても頻出であり、自在に扱えるようになっておきたい。定期試験・大学受験的にも頻出であり、かつ高得点が求められる範囲である。この公式集の破壊力は、共通テスト(センター試験)の過去問を解いていただければすぐに理解できるであろう。

 この記事が少しでも役に立てれば幸いに思う。では、これにて。

 

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